アクセサリーの豆知識

シルバーって?

月の光を浴びながら銀のクシで髪をすくと、恋が叶う。
クリスマス・プディングの中に銀の指輪を隠し入れ、食べる時に見つけた人は一年以内に結婚できる。ドイツのツェレの博物館近くに嵌め込まれている銀の蹄鉄に触れると幸せになれる。銀のロケットを首にかけていると魔よけになる。オーロラが現れる時は銀の鈴がなる・・・・・
シルバーに纏わる素敵な話は世界中にたくさん溢れています。

シルバーの特徴

シルバーは人間が使用した最初 の金属のひとつです。落ちついた柔らかな白い光沢が特徴ですが、すべての金属のなかで(水銀とともに)もっとも可視光線の反射率が高く(反射率は90%、 赤外線は98%を反射します)、研磨することによってプラチナよりも強い輝きを出すことができます。銀の元素記号「Ag」はラテン語で「白い輝き」を意味 する「argentum」が語源です。

また、展延性に富みあらゆる金属のうち熱や電気の伝導率が最大です。銀は自然界に広く分布していますが、他の金属に比べれば総量はきわめて少ないものです。また、自然に存在する多くの鉱物中に含まれている点が、金とは異なります。
シルバーは金やプラチナと違い、原子的に安定していません。化学変化を起こしやすく、すぐに変色します。銀が酸化するといいますが、実際には銀は高い温度に加熱しなければ、通常の状態では酸化しません。銀の変色のほとんどは硫化ですが、塩化反応もまれに起こります。

銀製品は大気にそのまま放置していたり、硫黄の含まれたものに触れていると黒く変色します。これは、空気中の硫黄によって表面に硫化銀の皮膜を作ることが原因です。硫化銀の皮膜の厚さによって、黄色、次に茶褐色に変わり、更に皮膜が厚くなると黒色になります。
また、輪ゴム等のゴム製品(合成ゴムも含む)は、ゴムの伸縮性を良くするために添加されている硫黄化合物と空気中の水分が反応して、硫化ガスに変わり銀を変色させます。

銀は92.5%でスターリングシルバー特有のセルフハードニング(時効硬化)という特性を出します。リングを鋳造後、室温まで放冷するだけで最高硬度が得られ、キズなどが付きにくくなります。

また、銀は管楽器に使用したりメッキを施したりすると音色が大変向上する性質も持っています。フルートに銀メッキをするのは装飾的意味よりも音色が良くなることが理由です。

また、銀は電気抵抗が金属の中で一番低く電気が通りやすく、熱伝導率も高く、高周波も銀が一番特性が良いなど装飾以外にも多くの優れた特性を持っています。

 

シルバーの純度

銀製品の純度を表すには1000分率を用います。現在日本では「1000」、「950」、「925」(スターリングシルバー)、「900」、「800」と いう5種類があります。「950」というのは95.0%の銀と5.0%の他の金属(銅など)からなるシルバーという事です。「1000」の純銀は100% 銀と言うことです。
スターリングシルバー(SV925)は現在のシルバーアク セサリーの主流で、銀製品にはSV925やSILVERの代わりにSTERLINGの刻印が入っている物も多いようです。SV925の銀合金は、優れた性 質を持っており、貨幣用としてはもとより、装飾用、工業用と、さまざまな分野で使用されています。

シルバーの歴史

銀の歴史はとても古く、紀元前 3000年頃,、銀製の宝飾品としてウル文化(古代のシュメール人の都市)の埋葬遺跡で見つかりました。採掘された最初の銀は、アナトリア(現代のトルコ あたり)周辺の鉱山でした。カルデア人は紀元前2500年頃、他の鉱石から銀を抽出する技術を持った最初の文明でした。
紀 元前1000年頃、南部および北アメリカの文化は高度な銀加工技術を使用していました。紀元前900年頃、アテネ近くのラリウム鉱山はこの時より1000 年の間、銀を生産する有数の鉱山でした。アジアでは、紀元前200年頃、朝鮮への中国からの移民が、彼らに銀製造技術を伝えました。そしてその後、朝鮮半 島から日本へ広がりましたが、日本ではあまり銀の普及が進みませんでした。その頃ローマ人は貨幣や家庭で様々な用途に銀を使用しました。

紀元1世紀頃インドのインダス文明では、飲み物を注ぐ為の容器に初めて銀を使いました。3世紀にはロンドンでローマ帝国の貨幣が鋳造されていました。6世紀頃、銀製造技術は、中国において非常に重要になりました。中国ではこれ以前は、銀製品は非常に貴重品でした。
そしてイギリスでは760年頃から、のちの鋳貨の基礎となった銀ペニーが連続的に使用されるようになりました。

9世紀になって高度な銀製造技術は、メキシコのオアハカ地域に伝えられたと言われています。
10世紀年頃、中国では銀製造技術が一般的になりました。
ノ ルマン朝初代のイングランド王、ウイリアム1世(1066~1087年)がロンドン塔に造幣所を設け純度925/1000銀を本位として採用。これが今日 の「スターリングシルバー」通称925銀として知られるようになったものの始まり。その名の由来は、ヘンリー2世(在位1154~1189年)の時代に銀 貨を鋳造していた『スターリング家』が源と言われています。

16世紀に入り、スペイン、パナマ、アンデス地方のコスタリカ人インディアンズは、銀細工師の技術が非常に高い芸術性を持ったものになってきました。
ヨー ロッパでの銀の産出はボリビアで始まりました。ボリビア、ペルーおよびメキシコは、1500年から1800年の間で世界の銀のほぼ85パーセントを産出す るようになりました。17世紀ニューヨーク(セネカ族、イロコイ族、カユーガ族など)のアメリカインディアンの種族は、ヨーロッパの銀貨を宝飾品に変え始 めました。それらは、叩き出し、浮き彫り、焼きなまし、金銀線細工などの現在の銀細工技術の始まりでした。

18世紀、中国での銀の使用は広範囲になりました。そして19世紀になり、銀の宝飾品は採掘精錬技術の進歩のために、より手頃で身近になりました。また電気メッキが発明されたのもこの頃です。1850年代中頃、ニューヨークのティファニーが銀器の生産を始めました。

20 世紀アメリカでは銀の有名な鉱山がネバダ、コロラドおよびユタで発見されました。世界で産出量が多いのは、メキシコ、ロシア、アメリカ、カナダ、ペルー等 で、これらの国で世界総生産の大部分を占めているそうです。このように、精錬技術の発達と鉱山の発見により、現在では供給量が増えたうえ、様々な回収シス テムが整備されたことから、金よりも安価になっています。

主に写真フィルムの材料や工業用に使用されるほか、その輝きの美しさから宝飾材料や貨幣用にも使用されています。

 

シルバーに纏わるお話

銀については古来より世界各国 で様々な言い伝えがあります。中世ヨーロッパでは、食器を中心として尊重され、金が太陽を象徴するのに対し、銀はそのやさしい色から三日月と結びつき、月 の女神として崇拝されていました。新月の夜、ポケットに銀貨を入れておくと次の日、それが2倍になるという言い伝えもあり、幸運のシンボルにもされていた のです。

王族や貴族が 食器として銀器を珍重したのは、食べ物や飲み物に毒が入っていると銀の食器が黒くなり、簡単に見破れる為、毒殺防止に効果があったのも1つの理由です。 しかし実際は、銀食器はすぐに変色するので、常日頃から手間がかかるが、きれいに管理を出来る従順な家臣がいるというのを自慢するためのものだったようで す。

赤ちゃんが産まれ たらお祝いに銀のスプーンを送ることは、日本でも行われています。西洋では、銀の食器は裕福な生活の象徴で、「銀のスプーンをくわえて生れてきた」と言う と、「生れながらに金持ちに生れた」と言う意味なのです。赤ちゃんに銀のスプーンをプレゼントするのは、将来お金に困らない裕福な生活が出来る様にとの願 いからです。

シルバーのお手入れ方法

シルバーアクセサリーは、空気中では黒く変色(硫化)する特徴がありますが、正しい手入れ方法を覚えれば簡単にメンテナンスができます。100年前に作ら れた銀のアクセサリーであっても正しく手入れをすれば、当時の輝きがよみがえります。その為には良い銀磨き製品を使って、正しい方法で磨く必要がありま す。市販されているものの中には、純銀には強すぎる強酸を使った銀磨き製品や、銀に磨き目が入る研磨剤が硬すぎる銀磨きクロスなどがあります。各々の製品 にあったものを使いましょう。

■シルバー研磨クロス(布)
柔 らかい生地に微粒子の研磨剤を含ませてあります。軽く磨けば変色はとれていきます。小さなキズを取りたい時にも使えます。あまり強く磨くとつや消し仕上げ のテイストが変わってしまったり、細かな模様が入ったシルバーは模様が消えてしまう場合があるので注意して下さい。また石がついたものは石にキズがついて しまう場合もあるので石は避けて磨きましょう。磨いた後はやわらかい布で拭きます。

■銀専用液体クリーナー
チ オ尿素希硫酸水溶液が主成分で、化学反応(酸化還元反応)により硫黄を除去します。硫酸が含まれていることから、使用に際してはなるべく溶液が皮膚に触れ ないように注意し、処理後は十分水洗いする必要があります。石の付いたアクセサリーは石に悪影響がある場合があるのでやめた方がいいでしょう。

金属アレルギー

金属アレルギーとは、花粉症や動物アレルギーなどと同じように、貴金属に対してアレルギー反応を起こす方がいます。

金 属アレルギーは、アクセサリーや日用品に使われている金属が、汗や体液などでわずかながらに溶け出しイオン化した金属が身体に入り込み、認容量を超えた 時、次に同じ金属が触れると拒絶反応(感作)を起こして、皮膚がかぶれたり、炎症を起こしたりするものです。(アレルギー性接触皮膚炎)
一 度金属アレルギーになると完治することは難しいので、心配な方はアレルギー検査(パッチテスト)を受けられるのが良いでしょう。特にピアスなどは肌に直接 穴を開けるため、皮下組織がじかに触れることで、金属アレルギーを起こしやすいといえます。検査をきちんと行った上で、高品位の貴金属の使用と清潔にジュ エリーを取り扱うことをお勧めします。

 

■アレルギーになりやすい金属

金属アレルギー(アレルギー性接触皮膚炎)の原因の第一位は、ニッケルです。汗の中の塩素イオンはニッケルを溶かす作用が強く、過去にニッケル・アレルギーにかかった人は少量の汗でもニッケル製品を身につけただけで皮膚炎を起こしたりします。

金がダメとかシルバーアクセサリーはかぶれるとお聞きしますが金やプラチナ、銀、チタンなどは、それ本体だけでは金属アレルギーの心配はほとんどありません。

ジュエリーで問題があるのは、硬度や加工形成のために必要な、割り金と呼ばれる合金なのです。 ジュエリーをお買上げの際には素材は必ずチェックすることが大切です。
たとえば同じゴールド製品であってもK18、K14、K10などと表記があり、金の含有量が違います。

海外などでお買いになる場合は特に注意が必要です。18K(日本では18金をK18と刻印しますが、東南アジアでは18Kと表します)と刻印されていても、品質はそれ以下のものもあり、WGにはニッケルを使った物がほとんどです。

ニッケルなど金属アレルギーの原因となる低品位の割り金は一切使用しておりません。オーダージュエリー専門店として、技術だけでなく素材にも徹底的にこだわっております。

 

■アレルギー検査(パッチテスト)

金属アレルギーなどの接触性アレルギーは、専門医や病院でパッチテストで検査します。
検査は、検査薬を付けたシールを背中や腕に貼って反応をみます。検査薬は、金、銀、ニッケル、クロム、コバルトなどです。費用は、保険適用が可能なため、3割負担の人は700円程度で調べられますので、一度テストを受けられればいいでしょう。

 

■金属アレルギーを防ぐ方法

金属アレルギーを防ぐには病院でパッチテストを行い、ご自分のアレルギーの原因の金属を身に着けないようにしましょう。
ジュエリーは常に清潔にしてください。特にネックレスやピアスなど、外した後は丁寧に汗などを拭き取ってください。

金、銀、プラチナはそれ自体は金属アレルギーになりにくい金属です。ニッケルなどアレルギーの出やすい素材を含まない高品質な商品をお選び下さい。信用のおけるお店だけで購入してください。見た目は同じでもコストを抑えるために低品質の素材を混ぜている商品もあります。
金属アレルギーがある場合は購入前に店員さんに詳しい素材の内容を確認してください。


誕生石について
誕生石は、持っていると幸せをもたらすという言い伝えもあって、自分自身に一個は身に付けていた方がいいそうです。
その誕生石の意味をご紹介します。

一月
ガーネット
貞操
ガーネットというと、通常赤いガーネットを指しますが、ガーネットグループは、アルマンディン、パイロー プ、スペサルチン、グロッシュラーなど、実に14もの種類があります。宝石としてもっとも価値のあるガーネットは、カットするとダイヤモンドのような強い 光沢を放つ、草緑色のデマントイドと言われています。

二月
アメジスト
誠実・心の平和
アメジストという名前の由来は、ギリシャ語の「酔わない」から来ていると考えられています。アメジストは昔、酔い止めのお守りとして使用されていたからで す。水晶に含まれる鉄イオンと天然の放射線が原因で紫に発色します。宝石としては、透明感があり、色が濃いものが最良とされています。

三月
アクアマリン
沈着・勇敢・聡明
アクアマリンはベリル(緑柱石)のグループに属します。水夫のお守りとして有名です。ダークブルーが最も評価され、多数の成長線があるものは、キャッツアイ効果や6条スターのアステリズムを持つケースもあります。

四月
ダイヤモンド
清浄無垢・永遠の絆
ダイヤモンドはご存知の通り、自然界の中では最高硬度を誇る鉱物です。ダイヤモンドの次に硬いとされるコランダムに比べ、カットに対する抵抗力は140倍 にもなります。無色透明が一般的ですが、グリーン、イエロー、ピンク、ブルーなどの色を持つダイヤモンドも存在します。原石は一様に光沢がなく、むしろそ の点では他の宝石の原石に見劣りします。カットされてこその鉱物と言えます。

五月
エメラルド
幸運・幸福・恩恵
ラルドはアクアマリンと同じく、ベリル(緑柱石)グループに属する。原石は曇りが入っているものが非常に多く、そのため最高品質は透明の物だけとされます。ただ、曇りがあってもとても深い緑を持っているものは、比較的高い評価となります。

六月
ムーンストーン
知性・物思い
ムーンストーンは、フェルドスパー(長石)のグループに属します。無色、イエロー、オレンジなどがあります。一般的にキャッツアイ効果を持っており、無色で青白い光を放つものを、ブルームーンストーンやロイヤルムーンストンなどと呼びます。

七月
ルビー
深い愛情
ル ビーはコランダムのグループに属します。 クロムの混入で赤く発色したコランダムがルビーです。もっとも高価だとされるのは、ピジョンブラッド(鳩の血)といわれる、少し青みを感じさせる色をした ルビーです。また、内包された微細なルチルのため、6条の光を放つスタールビーなども希少性があり評価されます。

八月
ペリドット
豊穣・夫婦愛・心の喜び
ペリドットとは宝石名で、鉱物学ではオリビン(カンラン石)と言います。ヨーロッパではバロック時代に大変人気があった石です。ペリドットキャッツアイとスターペリドットは希少価値があります。

九月
サファイア
誠実・信仰・高潔・貞操
ルビーと同じく、コランダムのグループに属します。単にサフ ァイアと言う場合はブルーのサファイアを指しますが、その他にも様々な色のサファイアが存在します。ブルー以外のサファイアは、イエローサファイア、グ リーンサファイアなど色を明示した呼び方が使用されるのが一般的です。

十月
トルマリン
希望・無邪気
トルマリンは、その科学的効果にも興味が持たれますが、様々な色を発する多色性は他に類を見ず、それこそがトルマリン第一の特徴と言えます。一本の結晶が 複数の色を持つことも稀ではありません。世界中で広く産出されますが、宝石用トルマリンの産出は、ブラジル、アフガニスタン、パキスタン、マダガスカルな どが主産地となります。

十一月
トパーズ
友愛・希望・幸福
トパーズは、日本でもよく採取されるなじみ深い鉱物です。ただ宝石用となると、やはりブラジルを始めとした海外産のトパーズになります。やや赤みを帯びたイエローが一般的な色彩で、ピンク色をしたトパーズがもっとも評価されると言われます。

十二月
トルコ石
成功・旅の守護・繁栄
ターコイズの名は、かつてトルコがその大部分の売買を行っていたことに由来します。通常は他の鉱物と交じり合ったモザイクの状態で産出されますが、稀に結晶となることがあります。